2026.04.13 お知らせ
3か月間の救急科研修は、私にとって家庭医・総合診療医としての視野を大きく広げる経験でした。救急外来では、胸痛や腹痛、発熱といった日常的な主訴から、脳卒中や急性冠症候群、多発外傷、意識障害などの重症患者まで、幅広い症例に向き合いました。
限られた時間と情報の中で「まず何を見逃してはいけないか」を常に考えながら診療する経験は、診断推論の基礎を鍛える貴重な機会でした。
特に印象に残っているのは、一見すると軽症に見えた患者さんの中に重篤な疾患が隠れていたケースです。救急では「ありふれた症状の中に潜む危険な疾患」を常に意識し、問診や身体診察、検査の優先順位を組み立てていく必要があります。その過程で、上級医の先生方がどのように思考し、どのタイミングで検査やコンサルトを判断しているのかを間近で学べたことは非常に大きな財産になりました。
また、救急診療では医療だけでなく、患者さんの生活背景や家族状況を踏まえた意思決定が求められる場面も多くありました。急性期医療の現場であっても、その人の生活に目を向ける視点が重要であることを実感しました。
この研修で学んだ「重症を見逃さない思考」と「限られた時間の中で全体像を捉える力」は、総合診療の現場でも大きな力になると感じています。今後は、救急で培った判断力を土台に、患者さんの生活や地域まで含めて支えられる総合診療医を目指していきたいと思います。
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